『はだしのゲン』問題シーンの真相|閲覧制限や教材削除の背景を徹底解説
本作に対する批判は、単なる教育的配慮にとどまらず、政治的・思想的な対立軸も含んでいます。
批判派が強く主張するのは、作中で語られる旧日本軍の残虐行為が、南京事件や三光作戦などに関する一部の証言のみに依拠しており、客観的な歴史教育の観点から偏っているという点です。また、作中で登場人物が発する当時の天皇や国家体制に対する激しい糾弾の言葉に対しても、保守派を中心に強い反発が存在します。
対して擁護派は、作者の中沢啓治氏自身が家族を原爆で奪われ、戦後の過酷な差別と貧困を生き抜いた当事者である点を強調します。戦争がもたらす狂気と加害の歴史から目を背けず、二度と過ちを繰り返さないための「告発の書」として評価すべきだという見解です。