石原裕次郎の死因と病歴の真相|享年52歳の壮絶な闘病と最後の言葉
石原裕次郎さんの闘病を語る上で欠かせないのが、告知の真相をめぐる家族と医療従事者の苦悩です。昭和末期の日本医療においては、末期がんの確定診断を本人に直接伝える「がん告知」は一般的ではなく、患者の気力を保つために病名を伏せることが医療倫理上の通例でした。
妻である石原まき子夫人や、実兄の石原慎太郎氏(後の東京都知事・作家)、そして石原プロモーションの幹部たちは、主治医団と協議を重ねた末、裕次郎さん本人には「肝臓がん」の病名を告げず、「肝硬変と慢性肝炎の悪化」として治療を継続する決断を下しました。大スターとしての気概を保ち、希望を持ってリハビリに取り組んでもらいたいという、家族ならではの切痛な愛情からの選択でした。
しかし、近年の関係者の回顧録や残された証言を紐解くと、裕次郎さん自身は自らの身体に起きている異変と命の限界を薄々察知していた形跡が見受けられます。日増しに衰える体力と激しい倦怠感、周囲の献身的な看護の空気感から、自らが不治の病に冒されていることを静かに悟りつつも、周囲を不安にさせまいと最後まで笑顔を崩さなかったと言われています。