1000年の静寂と革新が交差する2026年の宇治——いま「平等 院」に世界中の視線が集まる理由
10円硬貨に刻まれたシルエットでおなじみの鳳凰堂。その内部に鎮座する国宝・阿弥陀如来坐像は、仏師・定朝(じょうちょう)の最高傑作として名高い。50箇所以上もの木パーツを組み上げる「寄木造(よせぎづくり)」の技法は、当時の仏像制作におけるイノベーションだった。
単一の巨木から彫り出す一木造とは異なり、軽量化と割れにくさを実現したこの技法。それによって可能になったのが、ふくよかで穏やかな表情と、空間に広がりのある圧倒的なスケール感だ。像を取り囲む52体の雲中供養菩薩像が奏でる楽器の描写も見逃せない。一体一体の躍動感あふれるポーズは、当時の音楽や舞踊のリアルな空気感を今日に伝えている。