沖縄の模合とは?仕組みと飲み会文化・持ち逃げトラブルの真相
模合(もあい)の基本的な模合の仕組みは、信頼関係で結ばれたメンバーが一定期間ごとに集まり、全員が決まった金額を出し合って、集まった総額を毎回1人ずつ順番に受け取っていくというものです。
例えば、10人のメンバーが毎月1万円ずつ出し合う場合、毎回のプール金は10万円になります。第1回目はAさんが10万円を受け取り、翌月はBさんが10万円を受け取るというサイクルを10カ月かけて一巡させます。全員が一度ずつ満額を受け取った時点でその期の模合は満了(解散、または次期へ継続)となります。実質的に「無利子の分割積立」と「無審査の小口融資」が同時に成立している、極めて合理的な沖縄の相互扶助金融システムです。
受け取る順番の決め方には主に3つの方法があります。
- 順番制(話し合い・あみだくじ):事前にくじ引きなどで1番から最後までの受け取り順を決めておく最も一般的な方式。
- 入札制(競り模合):「今月どうしてもまとまったお金が必要」という人が、受け取り総額から差し引く割引額(実質的な利息)を提示し、最も高い割引額を提示した人が落札する方式。差し引かれた差額は他のメンバーに配分されます。
- 融通制(困りごと優先):メンバーの冠婚葬祭や車の故障、急な出費など、その時最も現金を必要としている人に優先して回す、助け合い精神を色濃く残した方式。
本土の「頼母子講」「無尽」との決定的な違い
歴史的に見ると、模合の起源は鎌倉時代から日本全国に存在した「頼母子講(たのもしこう)」や「無尽(むじん)」と同じルーツを持っています。しかし、模合と頼母子講・無尽の違いは、現代における「生活への密着度」にあります。
本土の無尽は明治・大正期を経て無尽業法によって制度化され、昭和中期以降は相互銀行、さらには普通銀行(第二地方銀行など)へと看板を変え、民間の慣習としてはほぼ姿を消しました。一方、沖縄では金融機関が未発達だった時代背景や、離島特有の強固な共同体意識(ゆいまーる精神)が背景となり、制度化された銀行とは別の「生活に不可欠なインフォーマル金融」として一般家庭や地域社会に色濃く残り続けたのです。