貴乃花横綱昇進の伝説|22歳連続全勝優勝と「不惜身命」の舞台裏
1994年11月23日、福岡市内の宿舎で執り行われた貴乃花の横綱昇進伝達式。日本中のテレビカメラが注視する中、若き新横綱が発した使者への口上は、今なお語り継がれる名言として記憶されています。
「謹んでお受けいたします。今後も不惜身命の心で相撲道に精進いたします」
この「不惜身命(ふしゃくしんみょう)」という言葉は、仏教の聖典である『法華経』などに由来する仏教用語で、「仏法や真理のために、我が身や命を惜しまずに捧げる」という意味を持ちます。父であり師匠でもある元大関・貴ノ花(当時・二子山親方)の教えを受け継ぎ、「相撲道のためならいつ命を落としても構わない」という極限の境地で土俵に上がっていた貴乃花自身の生き様そのものを表した言葉でした。
歴代横綱の口上の中でもひときわ重厚な響きを持ったこの四字熟語は、当時の社会に鮮烈なインパクトを与え、若きリーダーの決意表明として広く浸透していきました。