美濃焼の原点「志野の里」が2026年に再脚光を浴びる理由と徹底現地検証

美濃焼の原点「志野の里」が2026年に再脚光を浴びる理由と徹底現地検証を徹底追究! 読者が気になる 情報と解説を分かりやすく展開します。

志野焼を深く知るためには、日本のやきもの史における革新性を理解する必要があります。平安時代から続く美濃焼の系譜において、安土桃山時代(16世紀末)に突如として花開いたのが志野です。それまでの日本には存在しなかった「純白のやきもの」を追求し、国内産の原料のみを用いて白を発色させる技術は、当時の茶人たちに驚天動地の衝撃を与えました。

志野焼の最大の特徴は、岐阜県東濃地方特有の陶土である「もぐさ土(百草土)」にあります。鉄分が極めて少なく、耐火度が高いこの粘土は、ふんわりと空気を抱き込む性質を持ちます。この素地に天然の長石を主成分とする釉薬を厚くかけ、半地上式の薪窯(大窯)で数日間かけてじっくりと焼き締めることで、雪景色を思わせる暖かみのある白と、酸化鉄で描かれた絵付けの侘びた風情が共存するのです。

国宝に指定されている志野茶碗『銘 卯花墻(うのはながき)』(三井記念美術館所蔵)をはじめ、名陶の数々がこの東濃の山中で産声を上げました。荒川豊蔵氏が築いた大萱の工房跡周辺は、現在も豊かな原生林に囲まれ、当時の静謐な空気を色濃く残しています。歴史の真相をたどる旅は、作家たちが土と炎に命を懸けた現場の空気感を肌で感じることから始まります。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。