富士山は何県?実は静岡でも山梨でもない!山頂「境界未定」の衝撃真相
SNSやネット掲示板では、しばしば「富士山は静岡のものか、山梨のものか」という話題が地域対決のネタとして消費されます。静岡県民からは「新幹線や駿河湾から見る富士山こそ本物」「宝永山があってこそ立体感がある」という声が上がる一方、山梨県民からは「千円札の富士山(本栖湖逆さ富士)を見よ」「均整の取れた完璧なフォルムは山梨側からしか拝めない」と猛烈な反論が返ってきます。
しかし、富士山の環境保全や救助の最前線に立つ山小屋関係者や自治体職員の見解は、ネット上の対立構造とは大きく異なっています。山頂で長年営業を続ける山小屋組合の幹部は、取材に対して次のように現場の実情を語ります。
「八合目から上でお客さんが高山病で倒れたり、遭難事故が起きたりした際、『ここは静岡か山梨か』などと管轄を押し付け合っていたら人命は救えません。山頂での救助活動は両県の警察航空隊や山岳遭難救助隊が密接に連携しています。県境が引かれていないからこそ、双方が無駄な縄張り争いを起こさず、全力を尽くして山を守る意識が共有されているのです」
山麓の観光産業においても、近年は双方が富士山を「奪い合う対象」から「共有するブランド」へとシフトさせています。富士急行線や高速バスによる周遊ルートの整備、富士山世界遺産センターが静岡県富士宮市と山梨県富士河口湖町の両方に設立されたことなどがその象徴です。