楽譜の歴史を徹底解剖!最古の記譜から五線譜誕生の謎まで全解説
記譜法の進化と並行して、楽譜の歴史を加速させたのがメディア技術の革新です。中世の楽譜は羊皮紙に一文字ずつ手書きされる高価な一点物でしたが、15世紀の印刷革命によって状況は一変します。
1501年、ヴェネツィアのオッタヴィアーノ・ペトルッチが五線、音符、歌詞を別々に重ね刷りする活版音楽印刷に成功し、複数の部数を均質に流通させることが可能になりました。17世紀には銅版画エッチングによる彫刻印刷が主流となり、装飾豊かで緻密な楽譜がヨーロッパ中に供給されるようになります。
一方、鍵盤楽器やリュートのような弦楽器のために、五線譜とは異なるアプローチの「タブラチュア譜(TAB譜)」も独自の進化を遂げました。音の高さそのものを表す五線譜に対し、タブラチュア譜は「楽器のどの弦のどの位置を押さえるか」を直接指示する演奏指示書です。ルネサンス・バロック期にリュート愛好家の間で大流行したこのシステムは、直感的に弾ける利便性から、形を変えてギターやベースの演奏譜として愛用され続けています。