琉球の美を革新する色彩の地平。紅型作家・新垣優香が描く光と風の現代工芸

琉球の美を革新する色彩の地平。紅型作家・新垣優香が描く光と風の現代工芸の見逃せないポイントを徹底的にカバーしました。

紅型は本来、琉球王朝の王族や士族の着用する衣装、あるいは交易品として発達した格式高い染色技法です。顔料を用いた鮮烈な発色と、型紙を用いた精緻な文様が特徴であり、戦争による壊滅的被害を乗り越えて今日まで守られてきました。

しかし、新垣優香の作品を目にした者は、良い意味でその固定観念を裏切られます。平面的な布の表現にとどまらず、画面から飛び出してくるかのような立体感とダイナミズム。従来の紅型では使われることのなかったグリッター(ラメ)の輝きや、光を透過・屈折させる透明樹脂(レジン)の質感が、鮮やかな顔料と完璧な調和を保ちながら共存しています。

工芸と現代アートの境目を軽やかに飛び越えるスタイル。それは単なる奇をてらった装飾ではありません。紅型が持つ本質的な色彩の強度を、現代の住空間やギャラリーの光の下で最も美しく輝かせるための極めて理にかなったアプローチなのです。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。