輪島キリモトの現在と評判は?能登の工房復興と漆器の魅力を徹底取材
輪島キリモトの原点は、江戸時代後期から続く「木地屋(漆器の土台となる木製品を削り出す職人)」にあります。7代目当主である桐本泰一氏は、大学でプロダクトデザインを学び、オフィス家具メーカーの開発デザイナーを経て家業へ戻った異色の経歴を持ちます。
従来の輪島塗は、艶やかな本堅地仕上げの「ハレの日の器」として重宝されてきましたが、現代の生活様式からは乖離しつつありました。そこで桐本氏が開発したのが、独自の「蒔地(まきじ)技法」や「千すじ技法」を取り入れた新しい漆器です。
輪島特有の珪藻土を焼いて粉末にした「輪島地の粉」を漆に混ぜて焼き付け、表面に適度なマット感と硬度を持たせることで、金属製スプーンやフォークを使っても傷がつきにくい強度を実現しました。和食だけでなく、洋食やカフェごはんにも溶け込むデザイン性と実用性の両立こそが、輪島キリモトの最大の強みです。