なぜ3社共用で改札が1つ?寄居駅の特殊すぎる構造と乗り換えの罠を解剖
通常のターミナル駅であれば、鉄道会社ごとに独立した改札口が並び、それぞれのコンコースが広がっているのが一般的です。しかし寄居駅の橋上駅舎には、外と駅構内を隔てる改札口が中央に1箇所しか存在しません。しかもその改札口を管理しているのは、大手私鉄の東武鉄道でもJR東日本でもなく、地方私鉄である秩父鉄道です。
この特異な形態の背景には、駅の歴史的な成り立ちがあります。1901年に上武鉄道(現・秩父鉄道)が開業したのを皮切りに、東武東上線、国鉄(現・JR)八高線が相次いで乗り入れました。各社が個別に駅舎を建設するのではなく、敷地を共同利用する形で発展してきた経緯から、現在も秩父鉄道が駅業務全体を受託・管理する「共同使用駅」の形をとっています。
初めて訪れる人が寄居駅の構内図をわかりやすく把握するためのポイントは、「改札を入ると1本の自由通路があり、そこから各社の島式ホーム(JR:1・2番線、秩父鉄道:3・4番線、東武:5・6番線)へ階段が下りている」というシンプルな物理配置を頭に入れておくことです。しかし、この構造こそが交通系ICカード全盛の現在において、独特の「乗り換えトラップ」を生み出す原因となっています。