ひょうきん族ブラックデビル秘話|さんま代役交代の真相と昭和熱狂

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明石家さんまさんが演じたブラックデビルは、それまでの特撮やバラエティにおける悪役像を完全に破壊しました。台本に書かれたセリフをなぞるのではなく、スタジオの空気を瞬時に察知して繰り出すアドリブの応酬が、お茶の間を爆笑の渦に巻き込みました。

特に視聴者の記憶に焼き付いているのが、独特の甲高い声で放たれるフレーズの数々です。

  • 「クックックッ、ウェッハッハッハ」:独特の引き笑いと高音を織り交ぜた不敵な怪鳥のような笑い声。
  • 「ま〜だまだ続くぞ〜」:CM前やコーナーの合間に視聴者を煽るキラーフレーズ。
  • 「これでおしまい!」:タケちゃんマンの光線や攻撃を受けて派手に爆死・退場する際のお決まりの捨て台詞。
  • 「落ちぶれたら袖の下」:悪役でありながら情けなく命乞いをしたり、小銭を渡して見逃してもらおうとする俗物的なリアクション。

当時の土曜夜8時といえば、TBS『8時だョ!全員集合』が視聴率40%超を記録する絶対王者として君臨していました。緻密に計算されたセットとリハーサルを重ねたドリフターズの完成されたコントに対し、『ひょうきん族』は真逆の「楽屋落ち」「ハプニング」「生の感情のぶつかり合い」を武器に戦いを挑みました。

ビートたけしさんが復帰した後、二人の掛け合いはさらに過熱しました。タケちゃんマンがブラックデビルを追い詰める場面では、台本にはない私生活の暴露や愚痴の言い合い、スタッフの笑い声を巻き込んだ即興劇へと発展。1982年に入ると両番組の視聴率は拮抗し、やがて『ひょうきん族』が最高視聴率29.1%を記録して逆転を果たす原動力となったのです。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。