無痛のしこりに潜む罠 軟部肉腫の初期サインと最新治療の現在地
軟部肉腫の治療現場に大きな変革をもたらしているのが、次世代シーケンサーを用いたがんゲノム医療だ。がん組織から一度に数百種類の遺伝子変異を網羅的に調べる「がん遺伝子パネル検査」は、厚生労働省によって保険適用が拡大され、希少がんの患者にとって標準的な選択肢となりつつある。
従来の抗がん剤では効果が得られにくかった希少な変異に対しても、特定の遺伝子異常を標的とする分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬が奏効するケースが報告されている。「肉腫の種類」だけでなく「遺伝子の変異プロファイル」に基づいて治療薬を選ぶ個別化医療の進展は、難治性とされてきた患者群に新たな光をもたらしている。