激動の東京ドームから2026年の現在地へ——「男・中田翔」が読売ジャイアンツに残した不可逆の劇薬と強烈な遺伝子
多くのファンや解説者が中田の価値として口を揃えるのが、その卓越したファースト守備だ。巨人の内野陣、特に若手のショートやサードが投じるショートバウンドの送球を、まるで吸い込まれるようにグラブに収める。「中田がファーストにいるだけで、投げやすさがまるで違う」と、当時の内野手たちは口々に語っていた。
2026年には通算5度目となるゴールデングラブ賞を受賞。巨人の内野守備の安定感は、彼のグラブ捌きなしには語れなかった。ベンチでは大声を張り上げてチームを鼓舞し、グラウンドでは超一流の守備でピッチャーを救う。恐怖の主砲というパブリックイメージの裏にあったのは、誰よりも繊細で、誰よりもチームプレーに徹する職人の姿だった。