工藤会・野村悟総裁の現在と死刑破棄の真相|最高裁上告と引退説
かつて「修羅の国」などと揶揄され、市民生活や経済活動にまで暴力の影が落ちていた北九州市。その空気を根本から変えたのが、2014年9月11日に着手された工藤会への頂上作戦で福岡県警が断行した徹底的な組織解体劇でした。
警察庁の全面的なバックアップのもと、全国から数千人規模の特別応援派遣部隊が集結。警察官OB宅への発砲や一般市民への無差別テロを許してきた過去を断ち切るべく、警察幹部は「壊滅するまで引かない」という不退転の決意で臨みました。野村被告と田上被告を相次いで逮捕するとともに、みかじめ料の徴収経路を徹底的に封鎖。上納金の流れを解明し、所得税法違反(脱税)での再逮捕など、あらゆる法令を駆使して経済的基盤を干上がらせました。
この作戦の象徴的帰結となったのが、北九州市小倉北区神岳に威容を誇っていた工藤会本部事務所の解体跡地の再生です。堅牢な鉄扉と監視カメラで囲まれ、地域住民にとって恐怖の象徴だった要塞のような本部拠点は、民間への売却を経て2019年に完全に解体されました。
現在その跡地では、生活困窮者支援や更生保護活動に取り組む認定NPO法人「抱樸(ほうぼく)」を中心に、誰もが排除されない地域共生の複合拠点「希望のまち」プロジェクトが進められています。かつて暴力を発信し人々を脅えさせていた場所が、困窮者を包摂し社会復帰を支える温かな福祉の拠点へと生まれ変わった事実は、官民が一体となって恐怖支配を打ち破った歴史的勝利を物語っています。