なぜトレランは頭おかしいと言われるのか?過酷な実態と中毒性の真相
リスクと苦痛に満ちているにもかかわらず、競技人口が増え続け、一度足を踏み入れたランナーが抜け出せなくなる決定的な理由は何でしょうか。それは、人間本来の野生を取り戻す感覚にあります。
人工的な障害物のない稜線から望む息を呑むような朝焼け、鳥のさえずりと風の音しか聞こえない静寂の森、自らの脚だけで何十キロもの険しい山嶺を踏破した瞬間の景色は、スクリーン越しでは絶対に得られない圧倒的な感動をもたらします。コンビニも街灯もない山の中で、自分の体力と判断力だけを頼りに生き延びてゴールに辿り着いた瞬間、「自分は生きている」という強烈な実存感を取り戻すことができます。
日常の快適な生活では絶対に味わえない「極限の不快」をあえて自らに課すことで、ゴール後に飲む一杯の水、暖かい食事、泥を洗い流す温かい風呂といった日常の当たり前が、涙が出るほどの喜びに変わるのです。