竹取の翁といふものありけりを完全解説!品詞分解と現代語訳
冒頭部分の全体像を把握するために、重要語句を含む原文と逐語訳を対照形式で確認します。
【原文】
今は昔、竹取の翁といふものありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。名をば、さぬきの造となむ言ひける。その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。あやしがりて、寄りて見るに、筒の中光りたり。それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。
【現代語訳・口語訳】
今となっては昔のことですが、竹取の翁という者がいました。野や山に分け入っては竹を切り取って、さまざまなことに使っていました。その名を、讃岐の造(さぬきのみやつこ)と言いました。ある日、その竹林の中に、根元が光っている竹が一本ありました。不思議に思って近寄って見ると、竹の筒の中が光っています。その中を見ると、三寸(約9センチメートル)ほどの人が、たいそうかわいらしい様子で座っていました。
現代語訳において注意すべき古語の意味は以下の3点です。
- まじりて:動詞「まじる」。「(野山の中に)分け入って」「入り混じって」の意。
- よろづ(万):名詞。「さまざまなこと」「あらゆる物事」の意。
- うつくし(美し):形容詞(シク活用)。現代の「美しい」ではなく、古文では「かわいらしい」「愛らしい」を意味する最重要古語。
特に「いとうつくしうてゐたり」の訳出では、「とても美しくて」と誤訳すると減点対象になります。「たいそうかわいらしい姿で座っていた」と正確に訳すことが高得点の鍵を握ります。