認知症で突然怒る理由とは?家族を救うNg対応と正しい接し方
認知症の介護現場で特に頻発し、家族を疲弊させるのが「物盗られ妄想」による怒りです。「お金がない」「通帳を盗まれた」と、最も身近で献身的に世話をしている家族を犯人扱いして激しく攻撃します。
介護者からすれば「一生懸命世話をしているのになぜ疑われるのか」と悲痛な思いを抱きますが、この妄想の根底にあるのは「自分の大切な能力が失われていく恐怖」です。大切なものを自分でどこかにしまい、その置いた場所を忘れてしまったとき、「自分が忘れた」という事実を脳が受け入れられず、「誰かが盗んだに違いない」と記憶を無意識にすり替えて自己の尊厳を保とうとします。
疑われる相手が一番身近な家族である理由は、「もっと自分に関心を向けてほしい」「自分を守ってほしい」という依存心の裏返しでもあります。悪気があって疑っているのではないという心理構造を把握しておくことが、介護者の精神的負担を軽減する第一歩です。