シンボルツリー最新本命!常緑ヤマボウシの魅力をプロが徹底解剖
植物学的なルーツを探ると、この魅力的な庭木はミズキ科ヤマボウシ属に帰属する。日本に自生する伝統的なヤマボウシ(Cornus kousa)が冬に完全に葉を落とすのに対し、中国や台湾などの暖地に原産地を持つホンコンエンシス系品種(Cornus hongkongensis)などが常緑性の遺伝子を担っている。
「日本の植物分類学の父」として知られる牧野富太郎博士は、日本全国のフィールドワークを通じて膨大な植物標本を採集し、ミズキ科植物の形態的特徴や花苞(かほう)の美しさに深い関心を寄せていた。牧野富太郎の研究が示したように、ヤマボウシの白く可憐な「花びら」に見える部分は、実は花弁ではなく葉が変形した「総苞片(そうほうへん)」である。
この幾何学的とも言える苞の構造と、冬を通しても維持される葉の緑が見事に融合したことで、現代の園芸技術は新たな観賞価値を創出することに成功したのだ。