【2026年鉄道最前線】「ロングかクロスか」論争に異変 通勤電車でクロスシート急増の裏に隠された鉄道会社の冷徹な計算と乗客の本音
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乗客の意識は数年で劇的に変わった。以前なら「短時間の乗車に追加料金を払うのはもったいない」と見なされていた数十キロ圏内の通勤区間でも、着席保証の価値が跳ね上がっている。背景にあるのは、在宅勤務と出社を組み合わせたハイブリッドワークの定着だ。毎日出社しないからこそ、たまの通勤時には移動時間を作業やリラックスの時間に変えたい。そう考えるビジネスパーソンが、ワンコイン程度の課金を躊躇なく選択している。
鉄道会社にとっても、この変化は絶好のビジネス機会だ。人口減少に伴う定期券収入の減収を補う柱として、座席指定サービスの拡充は急務だった。車両構造を柔軟に変更できるL/Cシートは、日中はクロスシートとして高単価の有料列車に充当し、深夜や混雑の激しい早朝にはロングシートに切り替えるといった運用を可能にした。単なる移動手段から「時間を有効活用する空間」へのシフトが、収益構造を根本から変えつつある。