40歳で急逝した鬼才・松田優作の真実と4Kリマスターで甦る伝説
ハリウッドの巨匠リドリー・スコット監督が手がけた最高傑作の一作『ブラック・レイン』。松田優作が演じた冷酷無比な凶悪犯・佐藤留雄の存在感は、主演のマイケル・ダグラスやマイケル・ビーンらを凌駕するほどの戦慄を世界に与えた。だが、この撮影現場こそが、彼にとって命を懸けた最期の戦場だったのだ。
当時、すでに膀胱癌が彼の大迫力の身体を蝕んでいた。激痛に耐えかねる状態でありながら、彼は周囲に病を隠し通し、鎮痛剤を服用しながらカメラの前に立ち続けた。尿に血が混じるほどの壮絶な闘病のなか、リドリー・スコットの要求する過酷なアクションシーンを完遂。鬼気迫る彼の眼光と圧倒的な佇まいは、演技という領域を超えた生命の叫びそのものだった。彼がハリウッドで見せたその凄絶な表現は、文字通り自らの命と引き換えに掴み取った栄光だったのである。