【2026年取材】伝統の麹造りがグローバル食トレンドを牽引――「宝来屋」が仕掛ける発酵イノベーションの全貌
おいしさの原点は、どこにあるのか。答えは極めてシンプルでありながら奥深い。米と水、そして麹菌という極限まで削ぎ落とされた原材料へのこだわりだ。
郡山盆地の清らかな水と、厳選された国産米。これらを極上の麹に昇華させるのは、半世紀以上にわたり蓄積された温度・湿度管理の知見である。麹菌は生き物だ。その日の気候や湿度によって、表情をめまぐるしく変える。マニュアル化された工場ラインでありながら、最終的な仕上がりを見極めるのは熟練職人の「手ざわり」と「五感」にほかならない。機械の精密さと人間の感性が交差する場所にしか、本物の発酵は生まれないのだ。