研究者になるには?進路と年収の現実・やめとけと言われる真相
研究者として生きていく道は、大きく「アカデミア(大学・公的研究機関)」と「インダストリー(民間企業)」の2つに大別されます。両者は求められる資質も、雇用形態も、日々のプレッシャーも全く異なります。
大学教授へのキャリアパスを目指す場合、博士号(Ph.D.)の取得は最低限のスタートラインに過ぎません。大学院修了後は「ポスドク(博士研究員)」として任期付きプロジェクトを渡り歩き、業績を積み上げて「助教」の公募に挑みます。その後、准教授、教授へと昇進していきますが、各大学のポストは定員が決まっており、団塊世代の退職後もポスト削減が続いた影響で、空きポスト1枠に対して数十倍から100倍以上の応募が殺到することも珍しくありません。
一方の民間企業における企業研究職は、製品化や事業化に直結する応用研究が中心となります。大学のような完全なテーマの自由度はありませんが、安定した雇用環境と潤沢な研究開発費が保障されます。近年では修士卒と博士卒の就職において変化が生じており、製薬業界や素材化学、AI・半導体分野を中心として、即戦力として自立した研究遂行能力を持つ博士号保持者を優遇採用する動きが顕著です。
ただし、民間における研究職の採用倍率は極めて高く、大手メーカーの研究開発職では数百倍に達することも日常茶飯事です。学歴フィルターだけでなく、自身の専門性が企業の開発戦略とミリ単位で合致しているかが問われます。