アレクサンダーフレミングの知られざる素顔とペニシリン発見の真相
アレクサンダーフレミング(Alexander Fleming, 1881-1955)は、スコットランド生まれの細菌学者である。2026年の今日、彼の名前は「ペニシリン発見者」として教科書に載るだけでなく、抗菌薬耐性(AMR)危機が叫ばれる現代において、その先見性が改めて脚光を浴びている。ロンドンのセント・メアリー病院で研究を続けた彼は、第一次世界大戦中に負傷兵の感染症を目の当たりにし、「体内で使える無毒な抗菌物質」の探求を生涯のテーマとした。
フレミングの経歴で意外に知られていないのは、彼が元々は「リゾチーム」という酵素の発見者でもある点だ。1922年、鼻水に含まれる成分が細菌を溶かすことを発見したのがその始まりである。このリゾチーム研究の延長線上に、1928年のペニシリン発見が位置づけられる。報道各社の科学記事や王立協会の伝記資料によれば、彼は決して「ラッキーなだけの研究者」ではなく、観察眼と執念の人であった。