RadwimpsやYukiの映像美を創った天才監督・末田健
RADWIMPSのメジャー進出を象徴する名曲『25個目の染色体』において、彼の映像センスは遺憾なく発揮された。ボーカルであり作詞作曲を手掛けた野田洋次郎が紡ぐ、哲学でありながら極めてパーソナルな歌詞世界。それを映像という異次元の言語へ変換する作業は容易ではなかったはずだ。しかし、彼は楽曲が持つ生々しい愛のカタチを、過飾を排した美しいビジュアルストーリーへと昇華させてみせた。
続く『ふたりごと』でもその卓越した表現力は冴え渡る。楽曲の展開に合わせて変化する被写体との距離感や、光と影のドラマチックな対比。野田洋次郎の言葉が持つ圧倒的な熱量に負けることなく、むしろその響きを増幅させるような視覚的ビジョンを提示した。音楽と映像が奇跡的な均衡で溶け合ったこれらの作品は、今なお多くの音楽ファンにとって原体験として君臨している。