息はあるのに心停止?死戦期呼吸の見分け方と命を救うAedの真実
人が突然の心停止に見舞われた直後、約半数近くの患者に観察される特殊な呼吸様式が死戦期呼吸です。一般には「あえぎ呼吸」「ガスピング(Gasping)」とも呼ばれます。
最大の特徴は、魚が陸に打ち上げられたときのように、顎をしゃくりあげて口を大きくパクパクと開閉する動きです。途切れ途切れに「ヒュー」「ゴロゴロ」「クックッ」といった唸り声や喘ぎ声のような異音を伴うことも多く、一見すると必死に息を吸おうとしているように映ります。
しかし、正常な呼吸との違いは明白です。健康な人の呼吸は胸やお腹が一定のリズムで上下しますが、死戦期呼吸では胸郭がほとんど動いておらず、肺に十分な空気が出入りしていません。数秒から十数秒に1回程度しか起こらない極めて不規則な動きであり、実質的には息が止まっている状態と何ら変わりません。「息をしているように見える」という錯覚こそが、救命処置を遅らせる最大の障壁となっています。