カールはなぜ消えた?東日本撤退の真相と西日本限定の今を徹底検証
日本初の本格的コーンスナックとして1968年に誕生した明治のカール。長年親しまれてきたこのロングセラーブランドに激震が走ったのは、2017年5月のことでした。株式会社明治が発表した「カールの全国販売終了と西日本エリア限定への縮小」というニュースは、テレビのワイドショーやネットニュースのトップを飾り、東日本各地のスーパーで買い占め騒動が起きるほどの社会的衝撃を与えました。
販売規模が縮小された最大の理由は、長年にわたる「売上の急激な落ち込み」にあります。関係者や公開資料によると、カールの年間売上高は1990年代半ばのピーク時に約190億円に達していました。しかし、その後の市場環境の変化に伴って販売額は右肩下がりに下降。販売見直し直前の2016年度には約60億円(最盛期の約3分の1)にまで激減していたのです。
この売上激減を加速させた背景には、スナック菓子市場全体の地殻変動がありました。1990年代後半以降、カルビーや湖池屋を中心とするポテトチップス市場が急速にフレーバー展開と品質向上を進めたほか、成型ポテトチップスや激辛系スナックなど、次世代の刺激的な商品が棚を席巻していきました。また、若年層を中心としたライフスタイルの変化により、「スナック菓子を指でつまんで食べると粉や油で手が汚れ、スマートフォンやゲームの操作に支障が出る」「歯の隙間にコーン生地が挟まりやすい」といった、コーンスナック特有の物理的性質が敬遠される傾向が強まっていったことも、購買頻度の低下を招いた見逃せない要因です。