テレコとは?歌舞伎発祥の真実と仕事で恥をかかない正しい使い方

テレコとは?歌舞伎発祥の真実と仕事で恥をかかない正しい使い方の疑問点について、専門知識を詳しくお届けします。

国語辞書やWeblio辞書等において、テレコの意味は「互い違い」「あべこべ」「左右や順序が逆転している状態」と定義されています。例えば、A社宛ての納品書とB社宛ての納品書が入れ替わってしまったり、会議資料の1ページ目と2ページ目が逆に綴じられていたりする状態を「テレコになっている」と表現します。

このユニークな響きを持つ言葉の由来は、江戸時代に確立された歌舞伎のてれこにあります。歌舞伎の世界において、内容の異なる2つの演目やストーリーの場面を、1幕ごとに交互に進行させていく演出技法を「手入れこ(ていれこ)」と呼んでいました。2つの物語が交互に入り混じりながら展開する様子から、物事が交互に配置されること、さらには「順序があべこべになること」を指す隠語として楽屋裏で使われるようになったのが始まりです。

一部では「テレコは関西の方言ではないか」という関西弁の方言説が根強く囁かれています。確かに上方(関西)の商人文化や芸能界で日常的に好んで使われてきた歴史があり、現在でも西日本のビジネス現場や会話で耳にする頻度が高い傾向にあります。しかし、発祥自体は江戸・上方の双方で発展した歌舞伎の専門用語であり、それが興行関係者や商人の口を通じて関西の生活言語に深く根付き、方言のように定着していったというのが言語文化史における正確な実情です。

加藤 愛美

加藤 愛美

エンタメ専門ジャーナリスト

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。