夏にピアスを開けるのはNg?化膿の真相とプール・汗対策を徹底解説
かつて昭和から平成期にかけては、「ピアスを開けたら毎日マキロンなどの消毒液で耳を消毒し、ピアスを前後に回す」という指導が一般的でした。しかし、現代の創傷治癒学において、この方法は完全に否定されています。
消毒薬は、傷口に入り込んだ雑菌を殺菌するだけでなく、新しく形成されつつある皮膚の肉芽組織や表皮細胞まで破壊してしまいます。その結果、傷の治癒が大幅に遅れ、かえって感染を引き起こしやすい脆弱な状態を作り出してしまうのです。ピアスを無理に回転させる行為も、内部にできかけた薄い皮膚を物理的に引き裂く行為に他なりません。
夏場に実践すべきなのは、ピアスホールの正しい泡洗浄と消毒方法のアップデートです。低刺激性の泡立てた石鹸や洗顔料をホールの前後に乗せ、数分放置した後にシャワーの微弱な流水で洗い流す「泡パック洗浄」が現在の標準手技です。消毒薬を使用する必要は一切ありません。
また、夏期に最も相談が多いのがピアスを開けてからプールや海に入れる時期についてです。結論から述べると、最低でも施術から4〜6週間、可能であれば2〜3ヶ月間は水辺のレジャーに入るべきではありません。公共のプールには消毒用の塩素が含まれており、未完成の傷口を激しく刺激します。さらに海や川の水には、ビブリオ菌をはじめとする多種多様な細菌が存在しており、開放創から侵入すると重篤な化膿性炎症や蜂窩織炎を引き起こす危険性が極めて高いためです。