「天下の悪法」の嘘!徳川綱吉の生類憐れみの令が目指した真実
では、なぜこれほどまでに優れた側面を持つ政策が、後世において「天下の悪法」という濡れ衣を着せられることになったのだろうか。
最大の理由は、綱吉の死後に政権を握った新井白石ら政治的対立勢力による歴史の書き換えにある。正徳の治を主導した新井白石らは、前政権の業績を全否定することで自らの政治的正当性を強調しようとした。彼らの著作『折たく柴の記』などの記述が後世の歴史観のベースとなり、さらに後年の戯作や講談によって面白おかしく脚色された結果、「蚊を殺して処刑された」といった誇張された都市伝説が定着してしまったのだ。