下痢が続く原因と隠れた病気一覧|危険なサインと受診の目安を解説
医学的に下痢とは、便中の水分量が80〜90%以上に達し、形状を保てなくなった状態を指します。通常、大腸は1日に約1.5〜2リットルの水分を吸収して適度な固さの便を形成しますが、このバランスが崩れることで下痢が発生します。
下痢はその持続期間によって大きく2つに分類されます。発症から2〜3週間未満で治まるものを「急性下痢」、4週間以上持続または間欠的に繰り返すものを「慢性下痢」と呼びます。数日で改善する急性下痢の多くは、ウイルスや細菌による感染症、暴飲暴食が原因です。一方で、下痢が何週間も続く場合は、腸そのものの病変や全身性の疾患が関与している可能性が高まります。
下痢を引き起こす病態生理メカニズムは、主に次の4つに分類されます。
- 運動亢進性下痢:腸の蠕動(ぜんどう)運動が過剰になり、水分が十分に吸収されないまま排出される(ストレス、過敏性腸症候群、甲状腺機能亢進症など)。
- 浸透圧性下痢:腸管内に吸収されにくい物質が存在し、浸透圧によって水分が腸腔内に引き込まれる(乳糖不耐症、人工甘味料の過剰摂取、マグネシウム系下剤など)。
- 分泌性下痢:腸粘膜の細胞から水分や電解質が過剰に分泌される(細菌毒素、ホルモン産生腫瘍、一部の薬剤など)。
- 滲出性(炎症性)下痢:腸粘膜に炎症や潰瘍が生じ、血液・粘液・細胞外液が滲み出す(潰瘍性大腸炎、クローン病、感染性腸炎など)。