魔女の宅急便リリーの正体と猫種|ジジが喋れなくなった真相と原作の結末
宮崎駿監督のアニメーション映画は、児童文学作家・角野栄子氏による同名小説の第1巻を原案としています。しかし、原作者の意図と宮崎監督の作家性の違いから、魔女の宅急便の原作との違いには驚くべきギャップが存在します。映画版、角野栄子氏の原作全6巻、そして海外(北米)ローカライズ版の設定を詳細に比較・検証しました。
特にファンを驚かせるのが、ジジとリリーの子供に関する原作の後日談です。角野栄子氏の原作では、キキは後にトンボと結婚し、双子の姉弟(ニニとトト)を出産します。そしてジジとリリーの間にも生まれた子供たちのうち、黒猫のトトは人間の言葉を話す能力を受け継ぎ、キキの娘・ニニの相棒猫として新たな魔女の旅立ち路を支えることになります。
映画版のエンディングロールで描かれたジジとリリーの子猫たちは、キキの足元を無邪気に駆け回り、ジジが誇らしげに父親の顔を見せる温かい描写で締めくくられています。映画版は「キキ個人の青春の終焉」を切り取り、原作小説は「親から子へと受け継がれる生命の連環」を描き切ったという点で、両者はそれぞれ異なる芸術的頂点に達しているといえます。