クラミジアによる不正出血の真相と放置が招く不妊リスクの全貌
生理周期とは無関係に生じる性器出血を総称して「不正性器出血(不正出血)」と呼びます。排卵期のホルモン変動に伴う中間期出血やストレスによる機能性出血も存在しますが、感染症に起因する器質的出血の代表格がクラミジア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis)による感染です。
性行為によって膣内に侵入したクラミジアは、まず子宮の入り口にあたる子宮頸管の円柱上皮細胞に寄生します。病原菌が増殖する過程で細胞が破壊され、局所に強い免疫反応が生じることで引き起こされるのが子宮頸管炎です。炎症を起こした頸管粘膜は赤く腫れあがり(充血)、わずかな刺激でも破れやすい「びらん状態」へと変化します。この脆弱になった粘膜から毛細血管が破綻し、にじみ出た血液が膣分泌物とともに排出される現象こそが、クラミジア感染に伴う不正出血の正体です。
特に性行為後の出血や下腹部の痛みは、物理的な接触によって充血した頸管部が直接刺激を受けることで発生しやすく、臨床現場でも感染を疑う強い指標とされています。また、生理直前は骨盤内の血流量が増加し粘膜が鬱血しやすいため、生理前の不正出血として表面化するケースも目立ちます。