スイスで最期を選ぶ日本人の決断 尊厳死の現地法制度と費用の現実
渡航尊厳死という選択が日本の広範な一般社会に知れ渡る大きな転換点となったのが、多系統萎縮症を患った小島ミナ氏の事例だった。症状の進行に伴い身体機能を失っていく中で、自らの尊厳を保ったまま人生を終える道を選んだ彼女の決断は、多くの人々に強烈な印象を残した。
公共放送のNHKが制作・放映したNHKスペシャル『彼女は「安楽死」を選んだ』は、放送直後から大きな議論を巻き起こした。死の瞬間までを克明に追ったこの作品は、一人の女性の個人的選択にとどまらず、社会派ドキュメンタリーとして日本の終末期医療のあり方に鋭い問いを突きつけた。その後、同様のテーマを扱う番組やドキュメンタリーはNetflixをはじめとする動画配信サービス等でも広く扱われ、国境や世代を超えて命の引き際に関する関心を喚起し続けている。