左右で瞳の色が違う「オッドアイ動物」神秘の正体と遺伝学の最前線
なぜ左右で異なる瞳の色が生まれるのか。その鍵を握るのは、胎児期における色素細胞(メラノサイト)の移動プロセスだ。最新の遺伝学研究によれば、皮膚や虹彩に色素を運ぶ細胞は、発生初期の「神経稜(しんけいりょう)」と呼ばれる組織から全身へと旅立つ。しかし、特定の遺伝子変異や発生上の偶発的なエラーにより、片方の目にだけ色素細胞が到達しない事態が起こる。結果として、色素のない目は光を散乱させて青く見え、色素が正常に届いたもう片方の目は茶色や緑色に染まるのだ。
日本が世界をリードする理化学研究所などの発生生物学チームによる細胞運命追跡研究も、こうした幹細胞の移動制御機構に新たな光を当てている。動物種によって発生確率には大きな開きがあり、例えば白猫において片目が青いオッドアイが生まれる確率は数%から10%前後とされる。一方、シベリアン・ハスキーやオーストラリアン・シェパードといった特定の犬種では、毛柄を斑状にする「メル遺伝子」などの関与によって比較的高頻度で発生することが知られている。