台湾で消えゆく蒋介石銅像の今|撤去が加速する理由と世論のリアル
各地で撤去された蒋介石の銅像は、そのままスクラップにされたわけではありません。その多くが運ばれ、集められているのが、台湾北部・桃園市大渓区にある「慈湖紀念雕塑公園(慈湖彫刻公園)」です。
慈湖は蒋介石の遺体が安置されている「慈湖陵寝」に隣接する景勝地で、2000年に当時の大渓町長の発案で銅像の受け入れが始まりました。現在、園内には全身像、騎馬像、胸像など200体以上の蒋介石像(一部、息子の蒋経国像を含む)が所狭しと立ち並んでいます。
かつて高雄市で解体され、バラバラの破片をモザイク状に繋ぎ合わせて修復された巨大座像「傷痕と再生」をはじめ、緑豊かな庭園に無数の同じ顔が並ぶ光景は圧巻です。政治的対立を乗り越え、歴史の記憶をアートと観光の形で保存する空間として、国内外から多くの観光客を集める異色の名所となっています。