2026年、静かな山あいの宿で何が起きているのか。「にしき 荘」が起こした奇跡と地方再生の現在地
食事の提供方法にも大きな工夫が見られる。厨房を仕切るのは、地元出身の若手料理人だ。全国から取り寄せた高級食材ではなく、その日の朝に目利きの農家から届いた有機野菜や、地元の山で採れた山菜、清流で育った川魚が主役を務める。
素材の味を最大限に引き出すため、調理法は極めてシンプルだ。薪窯で炊き上げた地元の米と、じっくり時間をかけて取った出汁の味噌汁。それだけで訪れた客からは歓声が上がる。地元の生産者と直接顔を合わせ、仕入れる食材を決める循環型のスタイルは、地域の農業の活性化にも一役買っている。