モルトとグレーンの違いとは?ウイスキー原料や製法・味わいを徹底比較

モルトとグレーンの違いとは?ウイスキー原料や製法・味わいを徹底比較について見逃せない 事実を厳選して解説いたします。

ウイスキーのモルトとグレーンとは何なのか。その決定的な違いは「原材料の穀物」と「蒸留方法」の2点に集約されます。どちらも木樽で数年から数十年にわたって熟成される点は共通していますが、蒸留器から留出したばかりの「ニューポット(生まれたての原酒)」の段階で、すでに全く異なる性質を備えています。

まず「モルトウイスキー」の主役となるのは、大麦麦芽(モルト)のみです。大麦を発芽させて乾燥させた麦芽には、デンプンを糖に変える酵素(アミラーゼ)が豊富に含まれており、酵母による発酵を経て濃厚な醪(もろみ)が作られます。これを伝統的な銅製の単式蒸留器ポットスチルで通常2回(アイルランド等では3回)蒸留します。ポットスチルはバッチ式(回分式)のため、原料由来の香味成分や油分が原酒の中に濃厚に残り、蒸留所ごとの強烈な個性が宿ります。

一方の「グレーンウイスキー」は、トウモロコシ、小麦、ライ麦といった穀類(グレーン)を主原料とし、糖化のために2割前後の大麦麦芽を加えて仕込みます。最大の特徴は、背の高い塔が連なる連続式蒸留機(カフェスチルやパテントスチル)を用いる点です。連続式蒸留機は高効率で不純物を極限まで取り除く構造を持ち、アルコール度数約94%前後のクリーンで純度の高いスピリッツを生み出します。この製法の差が、モルトの「重厚で複雑なコク」と、グレーンの「軽快で柔らかな甘み」という明確なキャラクターの違いを生み出しています。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。