室外機に水をかけると故障?電気代節約の噂と正しい冷却術を検証
エアコンの効きが悪くなる現場を取材すると、水をかけるかどうか以前に、設置環境そのものに致命的な原因を抱過しているケースが目立ちます。その最たるものが室外機ショートサーキット現象です。
ショートサーキットとは、室外機の前面から吹き出された高温の排気が、壁やベランダの手すり、周囲に置かれた植木鉢や物置にぶつかって跳ね返り、そのまま背面の吸込口へ吸い込まれてしまう熱の悪循環を指します。この状態に陥ると、外気温が35℃であっても室外機の吸い込み温度は50℃近くまで異常過熱し、エアコンは安全装置を働かせて出力を絞るか、最悪の場合は保護停止してしまいます。
日本の都市部に見られる狭小ベランダでは、限られたスペースを有効活用しようとするあまり、室外機の直前に段ボールやタイヤ、大型ゴミ箱を詰め込んでしまう住環境の歪みが散見されます。この通風阻害こそが「冷えない」真因であり、そこに水を撒いたところで問題は1ミリも解決しません。
また、これに伴い頻発するのがエアコン室外機水漏れの原因と対処法に関する勘違いです。「室外機から水が垂れているのは故障ではないか」と慌てて点検を求める声がありますが、冷房使用時に室外機のドレンホースや底面から水が出るのは、室内の湿気が結露して排出されている正常な現象です。問題なのは、ドレンホースの詰まりによって室内機から水が逆流する場合や、室外機の底板にゴミが溜まって排水穴が塞がり、内部が浸水プール状態になっているケースです。水を与えるのではなく、「正常に水を排出させる排水経路の確保」こそが求められます。