犬のサマーカットは逆効果?毛が生えないリスクと後悔しない新常識
ペット情報サイト「ペトコト(Petokoto)」等で情報発信を行う現役トリマーの大森洋子氏をはじめ、第一線のグルーマーたちは夏場特有の「サロンと飼い主の意識のズレ」に頭を悩ませています。現場のサロンスタッフが抱えるリアルな葛藤について、都内人気サロンのベテランオーナートリマーは次のように実情を吐露します。
「お客様から『暑そうだからツルツルに丸刈りしてください』と指定されると、私たちは必ず毛が生えてこなくなるリスクや紫外線火傷の危険性を時間をかけてご説明します。しかし、『前の犬の時は平気だった』『手入れが大変だから短くして』と強く押し切られることも少なくありません。トラブルを未然に防ぐため、現在では『バリカン後脱毛症に関する同意書』に署名をいただくサロンが業界内で標準化しつつあります」
ダブルコート犬種のトリミングにおける注意点として、サマーカットの適切な時期や経緯を理解することが肝要です。もし衛生面や生活環境の都合で被毛を短く整えたい場合であっても、真夏の7月や8月に急激に刈り込むのは最も危険です。外気温が上がりきる前の5月下旬から6月中旬の初夏にかけて、気温の変化に皮膚を慣らしながら徐々に長さを調整するのがプロの鉄則とされています。
サロンへオーダーする際のコツは、「サマーカットで短く」と曖昧に伝えるのではなく、「地肌が絶対に透けない長さ(最低でも2cm以上)で、梳きバサミを使ってアンダーコートの密度を落としてほしい」「お腹周りや内股、肛門周辺などの熱がこもりやすい部分だけを衛生的に部分カットしてほしい」と具体的に指定することです。技術力のあるサロンであれば、犬種ごとの毛周期や皮膚状態を見極め、愛犬の健康を損なわない絶妙なカットラインを提案してくれます。