生活保護の世帯分離は同居で可能?大学進学や受給額への影響の真相について、最新情報を取りまとめてご紹介します。
世帯分離を実行した場合、家計全体で得られる現金収入と保護費の合計額はどう変動するのか。東京都区部(1級地-1)における「母親(40代)と高校卒業後に大学進学する子ども(18歳)」の母子世帯をモデルケースとして、分離前後の経済的収支を試算・比較しました。
項目世帯分離前(高校3年次)世帯分離後(大学1年次)編集部の見解・家計への実質影響生活扶助基準額(月額)約125,000円〜135,000円
(2人世帯基準+母子加算)約78,000円〜82,000円
(単身基準、母子加算終了)子ども分の生活費に加え、高校卒業に伴い母子加算が消滅するため、保護費ベースで約4万〜5万円減額。住宅扶助上限額(月額)64,000円(2人世帯上限)53,700円(単身世帯上限)
※同居按分ルール適用同居の場合、家賃は人数按分(1/2ずつ等)が指導されるケースが多く、保護から支給される家賃補助は縮小。教育扶助・学資支援高校等就学費が支給
(実費・定額給付)生活保護上の教育扶助は全額停止
(高等教育無償化へ移行)日本学生支援機構(JASSO)の給付型奨学金や授業料減免制度へ完全移行する必要がある。医療扶助・公費負担親子ともに自己負担0円
(医療券による受診)母親:自己負担0円
子ども:国民健康保険に加入分離された子どもは3割の医療費自己負担が発生。毎月の国民健康保険料の納付義務も生じる。子どものアルバイト収入高校生の就労収入として認定
(修学費用以外の控除枠に制限)全額子どもの自己管理
(家庭の保護費算定から除外)子どもが月8万〜10万円稼いでも親の保護費から差し引かれないため、本人の自立原資として蓄積可能。
試算から明らかな通り、世帯分離によって「親に支給される保護費」は大きく減少します。しかし、分離された子ども自身のアルバイト収入や給付型奨学金が世帯の収入認定から除外されるため、世帯全体の総可処分所得で見ればプラスになる事例も少なくありません。反面、家計の管理能力が問われる設計となっています。