今注目を集めている 40Mの奇跡!横山大観『生々流転』が日本画の至宝たる理由と震災秘話について、詳しいまとめを整理して公開しています。
横山大観の膨大な生涯作品群の中で、『生々流転』はどのような位置を占めているのか。画業の変遷を客観的に把握するため、代表作の特徴と評価を以下の比較表にまとめました。
作品名・制作年技法・サイズ・所蔵先表現テーマと特徴編集部の見解・美術史的評価無我
(1897年)絹本著色・軸装
139.7×84.8cm
東京国立博物館(重文)初期の代表作。無心に佇む童子を通して禅の境地を具現化。大観の思想的基盤を示す原点。線描と彩色による清新な造形力が際立つ。屈原
(1898年)絹本著色・軸装
132.7×88.4cm
厳島神社(重文)風に煽られ荒野を歩む古代中国の詩人・屈原の悲劇的苦悩。師・岡倉天心の東京美術学校追放に抗議した大観自身の内面を仮託した情念の傑作。生々流転
(1923年)絹本墨画・絵巻
55.3×4070.0cm
東京国立近代美術館(重文)一滴の水から大海の昇龍へ至る、生命と水の壮大なる輪廻転生。水墨画の最高到達点。長大な画面全体をひとつの交響曲のように統率した大観の金字塔。夜桜
(1929年)絹本著色・六曲一双
各177.3×376.8cm
大倉集古館満開の山桜と篝火の煙、闇夜の静謐なコントラストを絢爛に描写。ローマ日本美術展覧会のために描かれた装飾美の極致。色彩の大観を象徴する大作。富士山図(群青富士等)
(昭和初期〜晩年)各種(軸装・屏風等)
全国各地の美術館・個人蔵生涯で2000点以上描いたとされる霊峰富士の威厳と精神性。大観のアイコン的存在。国民的画家としての知名度を決定づけたライフワーク。
表から明らかなように、彩色の華やかさを誇る『夜桜』や国民的モチーフの『富士山』に対し、『生々流転』は白黒のモノトーンのみで純粋な絵画力・構成力を問うた、大観の真骨頂です。長さ40mという物理的スケールも他を圧倒しており、近代日本画の歴史において並ぶものがない記念碑的存在といえます。