朱塗りの玉垣に並ぶVtuberと世界進出の誓い──2026年、激動のエンタメ界が「芸道祈願」へと回帰する深層
かつて芸能の神に捧げられる願いはシンプルだった。「芸道上達」「満員御礼」「千秋楽までの無事」。芸を磨き、舞台を成功させることこそが至上命題だった時代だ。
しかし、近年の授与所で見かける絵馬や祈祷の言葉には、現代特有の切実なニュアンスが混じる。「心身の平穏」「アンチの退散」、そして「炎上することなく作品が届きますように」といった言葉だ。
一度の失言や些細な文脈の誤解が、キャリアを一撃で断ち切る現代のソーシャルメディア環境。表現者は常に、不可視の視線に晒されながら綱渡りを強いられている。才能を伸ばすこと以上に、「心を壊さず、理不尽な災禍を避けて生き延びること」が切実な課題となった今、社(やしろ)は厄除けと精神のシェルターとしての役割を強く帯び始めている。