図書館の取り寄せは実は迷惑?予約放置と善意制度が抱える限界

図書館の取り寄せは実は迷惑?予約放置と善意制度が抱える限界についての疑問解決ガイドをご紹介します。

詳細を見る

この問題は単なる現場の労力不足にとどまらず、本を供給する出版業界との緊迫した関係にも飛び火している。近年、新刊本やベストセラーが発売直後から大量にリクエストされ、購入せずに図書館で済ませる傾向が強まった。出版社や著者からは「書籍の売上減少に拍車をかけている」と批判の声が絶えない。

日本において昭和25年に制定された図書館法は、利用料の無料原則を定めており、国民の「知る権利」を保障する高い理念を持っている。しかし、新刊本を手軽に無料で取り寄せられる便利さが過剰に利用された結果、出版エコシステム全体を脅かす「フリーライディング(タダ乗り)」と化しているのではないかという懸念が生じている。無料という善意の理念と商業出版の存続という課題が、いま激しく衝突しているのだ。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。