「安全なら東京に原発を」論争の真相と作られない決定的な理由

「安全なら東京に原発を」論争の真相と作られない決定的な理由の注目ポイントを詳しく解説してご紹介します。

なぜ地方自治体は原発を受け入れたのか。そこには高度経済成長期から続く、地方と都市のエネルギー格差と国家的な制度設計が存在します。1974年に制定された「電源三法(電源開発促進税法・特別会計法・発電用施設周辺地域整備法)」は、立地自治体へ巨額の交付金をもたらしました。

産業が乏しく過疎化に悩む地方にとって、原発立地に伴う固定資産税収入や電源立地地域対策交付金、雇用の創出、インフラ整備は、地域維持のための強力な財源でした。これにより、以下のような構造的な役割分担が固定化されていきました。

【電力供給とリスク負担の非対称性】
・大都市(東京など):電力の利便性と経済成長の果実を享受し、日常的なリスクは負わない。
・立地地域(地方):財政支援と引き換えに、事故時の壊滅的被害という巨大なリスクと使用済み核燃料の保管負担を背負い続ける。

この非対称性は、2011年3月の福島第一原子力発電所事故によって決定的な痛烈さをもって顕在化しました。東京で使われる電気を作っていた福島県が甚大な放射能被害と長期避難を強いられた現実は、今なお倫理的な問いとして残り続けています。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。