マイルドセブンの丘の木が伐採された真相は?現在の景観と美瑛観光の注意点
マイルドセブンの丘の象徴であったカラマツ林に大きな変化が訪れたのは、2018年春から数年間にわたる段階的な伐採がきっかけでした。かつて丘の稜線に沿って整然と連なっていた木々は一部が切り倒され、現在ではかつての横長の一枚絵とは異なる姿になっています。この伐採には、主に3つの切実な理由が存在していました。
第1の理由は、「樹木の老齢化と倒木リスク」です。防風林として植樹されたカラマツは植樹から数十年が経過し、一部の木で内部の腐食や幹の劣化が進行していました。台風や冬の暴風雪によって木が倒れれば、周囲の電線や道路、さらには農作業中の農家や観光客に甚大な被害を及ぼす危険性があったため、保安上の観点から倒木の恐れがある木を間伐せざるを得ませんでした。
第2の理由は、「農作物への日陰・生育被害」です。カラマツが大きく育ちすぎたことで、背後の畑に広範囲な影を落とし、美瑛の大切な農産物である小麦やジャガイモの生育に悪影響を与えていました。美瑛の美しい丘は観光用ではなく、農家の方々が生活を営む生産現場です。農業生産を第一に守るため、枝打ちや伐採が必要と判断されました。
そして第3の深刻な要因が、「観光客による農地への無断立ち入り(オーバーツーリズム)」です。絶景写真を撮影しようとする一部の観光客が、私有地である畑へ無断で足を踏み入れるトラブルが後を絶ちませんでした。靴の裏に付着した病原菌や害虫が畑に入ると、作物が全滅する深刻な農業被害(土壌病害)を引き起こします。度重なるマナー違反に苦悩した農家が、やむを得ず景観自体の見直しに踏み切ったという側面も見過ごせません。