世界一画数が多い漢字の真相!84画たいとや128画の謎を検証
極限の難読漢字の中で、現代人が最も目にする機会の多い文字が、中国・陝西省西安市の名物麺料理を指す「ビャン(𰻞 / 𰻝)」です。総画数は字体によって56画、57画、58画とわずかな差異がありますが、標準的には簡体字で56画、繁体字で57〜58画とカウントされます。
この文字が他の超難読漢字と決定的に異なるのは、「現地の人々が記憶して書くための口訣(歌・語呂合わせ)」が存在する点です。陝西省では子どもの頃から以下のような歌を口ずさみながら書き順を覚えます。
【ビャンビャン麺の書き順を導く伝統の歌口訣(穴道語)】
「一点上了天(ちょんと打って天に昇り)、黄河両道彎(黄河が二筋曲がる)。八字大張口(八の字が大きく口を開け)、言字往裏走(言の字が中へ入る)。左一扭(左にねじり)、右一扭(右にねじり)、西辺長(西が長く)、東辺長(東も長い)。中間坐個馬大王(真ん中に馬の大王が座る)。心字底(心を書いたら)、月字旁(月を添え)、留個勾搭掛麻糖(鉤を垂らして飴を掛け)、推着車車走咸陽(車を押して咸陽へ行こう)。」
冠の「穴(宀に八)」から始まり、中央に「言」、その左右に「幺(糸の原形)」、さらに外側に「長」、下部に「馬」、左に「月」、右に「刂(りっとう)」、下に「心」、最後に全体を包むように「辶(しんにょう)」を書くという極めてシステマチックな構造です。
この文字は長らくフォント規格に存在せず、看板や手書きメニューにのみ使われていましたが、2026年3月のUnicode 13.0において正式に符号位置が割り当てられました。現代のデジタル環境において「実際にタイピングして表示できる最多画数の実用文字」として確固たる地位を築いています。