土の中で数年…セミの幼虫が秘める驚愕の生態と羽化の感動ドラマ
地中には光が届かない。時計も暦もない世界で、なぜ彼らは数年後の「しかるべき夏の夜」を一糸乱れぬタイミングで察知できるのか。この長年の謎に対して、国立科学博物館の研究者や日本昆虫学会に所属する専門家たちが解明に挑んでいる。
近年の分析によると、幼虫は樹木の木汁の流れや成分変化から「季節のサイクル」を感じ取っている可能性が高いという。冬の休眠期から春の芽吹きにかけて、樹木を流れるアミノ酸の濃度は劇的に変化する。幼虫はこの化学的なシグナルを年輪のようにカウントし、地上へ出るべき成熟のタイミングを正確にはかり取っているのだ。