お腹が硬いのは危険?部位別の原因と押すと痛い時の受診目安
日常的な不快感として最も頻度が高いのは、便秘でお腹がカチカチになってしまうトラブルです。水分不足や運動不足、食物繊維の偏りによって腸内に滞留した便は、水分を過剰に吸収されて硬い塊へと変化します。これが大腸のカーブ部分(左下腹部や右上腹部)に留まることで、外から触れてもはっきりと分かる硬いしこりのような手触りを作り出します。
しかし、便秘の延長線上として警戒しなければならないのが腸閉塞(イレウス)です。過去の腹部手術による腸管の癒着、大腸がんによる内腔の狭窄、あるいは腸のねじれなどが原因で腸の通り道が完全に塞がってしまう病態を指します。下記の腸閉塞の症状チェックに該当項目がある場合、早急な専門治療(胃管挿入による減圧や緊急手術)が必要です。
- 激しい腹痛が数分おきに強くなったり弱まったりを繰り返す(仙痛)。
- お腹が風船のようにパンパンに張り、強い吐き気や嘔吐がある。
- 排便だけでなく、おなら(ガス)が丸1日以上まったく出ない。
- お腹の中で「ゴロゴロ」「金属のような高い音(金属音)」が鳴り響く。
また、現代人に急増しているのが自律神経の乱れとストレスによる胃腸機能不全です。腸は「第二の脳」と呼ばれるほど神経網が発達しており、強い精神的ストレスや不規則な睡眠を受けると交感神経が優位になり、消化管の血流や蠕動運動が著しく乱れます。器質的な異常が見当たらないにもかかわらず、下痢や便秘、激しいお腹の張りを繰り返す「過敏性腸症候群(IBS)」や「機能性ディスペプシア」は、ストレスが胃腸を過度に収縮させて腹壁を硬く張らせる代表的な病態です。