「倍返し」から十数年――今なお語り継がれる「半沢直樹の出向処分」に隠された、頭取の冷徹なリアルと令和の銀行淘汰
銀行という組織は、個人の正義よりも「秩序」を重んじる。半沢の行動は正しかった。しかし、組織のルールを逸脱した「劇薬」でもあった。もし半沢をそのまま本店に留め置けば、他の行員たちに「ルールを破っても結果を出せば許される」という前例を作ってしまう。
組織の規律を守るため、そして融和という大義名分のためには、どれだけ優秀な人材であっても一時的に排除する。この「トカゲの尻尾切り」とも言える冷酷さこそが、銀行が長年培ってきた生存戦略なのだ。半沢の出向は、組織の論理が個人の正義を凌駕した瞬間だった。